これからの時代を生きるための資質

中高一貫校通信というサイトで、本間正人氏のインタビュー「中学・高校時代に必要な国際教育とは」が掲載されていた。

現代社会における国際人の要件とは何でしょう。私は3つの条件を挙げながら中高生時代にすべきことをお話したいと思います。

国際人の条件として、まず、自己肯定感が高いことが重要です。

自己肯定感とは自分を肯定的に見て、自信をもつことです。国際舞台では、よく「自分の意見をしっかり述べる」ことが大事といわれます。でも実は、「述べる」ことが難しいのではなくて、「自分に自信がないと述べられない」ということなんです。

「こんなこと言っちゃっていいのかな」と親の顔色を見る、先生の顔色を見るというのが、日本の教育の一番うまくいっていないところなんです。日本の教育は「オマエはダメなヤツだ」とレッテルを貼って、「だから、もっとがんばらなきゃ」と発破をかける部分があって、それが本当に残念なところなんです。

ですからまずは、自己理解を深め、自己肯定感を高めることが大事です。

親は、学校というと、まず先生に意識が行ってしまいがちなのですが、実は友人との交流との中で自己理解は深まり、自己肯定感が高まります。だから中高生時代は何より友人とのコミュニケーションを大切にしてほしいですね。

その点、中高一貫校には、思春期の柔軟な感性を持っているときに、6年間という時間をかけて一生付き合える友人ができるメリットがあるといえます。これが財産になります。絶対ではないですが、総じて中高一貫校のほうがいじめも少ないんです。心に余裕がある子が多いんです。お互いに長い付き合いになるってことを本能的に感じ取って交流するから、お互いに傷つけ合うよりもお互いの友情を大切にし、お互いを尊重し合う関係性ができるのでしょう。自己肯定感を育む意味で中高一貫校というのは、いい環境といえるのです。そして実際に、大人になっても仲がいい、一生の友だちができやすいというのが中高一貫校の特徴です。



国際人であるための第2の条件は、「勉強嫌いにならないこと」です。

勉強嫌いにならないためには、どうしたらいいか。「勉強は楽しい」と感じることですね。たとえば日本人が英語嫌いなのは、英語への苦手意識を植え付けられてしまうからなんです。文法と和訳ばかりのわざわざ難しいことをさせられてバツを付けられるわけですから楽しいわけがありません。

その点、中高一貫校には名物教師的な先生がいて、教科書の内容をはるかに超えた、自分の体験談や自分の興味関心、趣味的な話をするみたいなことができます。中高の履修内容を効率的に並び替え、重複部分を最低限に抑えることのできる中高一貫校ならではのメリットです。これが実は知的好奇心を刺激し、「学問って面白いんだな」、「勉強って楽しいんだな」と感じさせてくれるのです。

そもそも、勉強嫌いにならないことが国際人の条件としてなぜ大事なのかというと、世の中の変化のスピードが加速度的に速まっているからです。教科書に書かれていることには、すでに陳腐化した情報もたくさん含まれています。常に知識やスキルをバージョンアップしなければ、これからの社会では生きていけません。知識やスキルをバージョンアップすることとは、すなわち勉強です。常に新しい知識やスキルを求めて勉強する姿勢が身に付いていない人は、これからの時代に取り残されてしまうのです。


国際人である条件として、3つめに挙げたいのは「多様性に敏感である」こと。

ここは中高一貫校の弱点でもあります。中高一貫校には、ある程度知的レベルも社会的バックグランドも似通った子が集まってしまうから、多様性を感じにくい環境といえるでしょう。そこは何らかの形で学校以外の交流関係を担保したほうがいいと思います。

たとえばボランティア活動に参加したり、地域のお祭りに参加したりでもいいと思います。世の中にはいろんな人がいて、学歴とか「お勉強」だけが社会の中で大切なんじゃないんだということを中高生の6年間のうちに感じ取るような体験をもつことが大事だと思います。国内で多様性を感じる体験を持っているだけでも、いざ海外に出たときに人種、文化背景の違いを単なる多様性の一部として捉えることができるようになります。

旅をするのでもいいでしょうね。中高一貫校の場合、高校受験がないぶん、時間的な余裕もあるでしょうから、できれば発展途上国を見るような旅の経験ができるといいと思います。今は修学旅行で海外に行く学校も多いですけれど、学校主体の旅では、なかなか発展途上国には連れて行けません。そこはやはり親が連れて行ってあげるべきだと思います。そうやって自分たちの境遇がどれだけラッキーかを知ったり、それでも世界とつながって生かされているんだということを肌感覚で学んだりすることが大事だと思います。


これら3つの条件が満たされれば国際人として羽ばたくことができます。

逆に、よくいわれる「英語」、「ロジカルシンキング」、「日本文化理解」などは、必要なときに短期間で習得できますから、中高生のうちに焦って身に付けなければならないということはありません。

中高一貫の教育に必要だとか、国際人に必要だとかいうことで書かれているが、これらの条件は、これからの時代を生きるための資質といえるのではないだろうか?

Mちゃん、Sくん、K太郎にも是非身に付けてもらいたいものだ。

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